ふたりの花嫁
気がつくと、目の前で花嫁が歌っていた。
テレビの前で寝落ちしていたのだが、
純白のドレスを身に纏ってロックンロールを歌う... という演出なのだろうか。その歌にどんなメッセージがあるのか、一体どんな効果を狙っているのか、寝ぼけた頭を醒まして歌に聞き入ってもさっぱりわからず、妙な違和感だけが残った。
アメリカで出会った、ある若いアーティストを思い出す。
4、5年前、大学のキャンパスで会ったとき、
日常に非日常を持ち込むという一種のパフォーミング・アートなのだが、
彼女はドレスを一年間着続けることを自分に課していた。
外出時、例えばスーパーのレジに並んでいると、
興味を持つ人(なぜか女性が多いとのこと)
私が彼女を見たのは、プロジェクトを始めて数ヶ月しか経っていない時だったが、すでにドレスは汚れが目立ち、いくつかのほころびがあった。
あのプロジェクトは最後まで続いたのだろうか。
なんとなく頓挫したような気がするのは、「
因みにこのアーティストも、浜崎あゆみも、
一方が文字通り「体を張った」パフォーマンスだけに、
比べるものでもないかもしれないし、
ただ、私が踏んでいるように、あれが「カワイイ」とか「