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暮らしてみたアメリカのこと。留守にしていた日本のこと。

飲み会で言えなかったセリフ

「あのさ、せっかくの場がしらけるし、正論振りかざすのは嫌なんだけど、やっぱり言わしてもらうわ。さっきからそれで何回も笑いとってるし。大体こういう笑いがあるから本性を隠すんだよ。 一人二人の大声で言う悪口より、こうやって大勢でなんとなく笑うほうがよっぽどダメージ大きいから。

ここじゃオレが一番年長者みたいだけど、皆んないろんな所行って、いろんな経験積んでるだろ。今までたくさんの人間とつき合ってるはずだから、身近にそういう人がいないなんてありえない。もしそう言い張るなら、それは周りが隠してるんだよ。言えないんだよ。

もちろん随分変わったよ。オレが学生のころなんかひどかったから。今みたいにメディアで取り上げられるなんてこともなかったし、誰かがちょっとでもそんな素振り見せればよからぬ噂になってすぐ広まった。でもこういう揶揄を見るとまだまだだと思う。偏見の根は深いんだなって。そういう芸人をメインストリームとして受け入れることはできても、隣に座ってる同僚には眉をひそめるんだから。

自分の身近に最後までクローゼットから出なかった人がいたんだけど、家族を含めて、ほぼ誰も知らなかったと思う。彼が死んでしまったことと、そのことにどれくらい関係があったのかわからない。でも苦しかったんだろうなと思う。何か力になれることがあったんじゃないかってずっと思ってる。

だからって特に何をしている訳じゃないし、そもそもこうして『自分たちvs.彼ら』の図式で語ること自体ダメなんだろうけど、でも妙に腹立ってくるわけ...。マジョリティであることに安心して、ヘラヘラ酒飲みながら、ゲイの悪口を言っているお前らのその面見てると」
 

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